《Airbnbバブルって何?民泊業界は混沌へ》

本日は「Airbnbバブル」について述べたいと思います。

「Airbnb」とは、アメリカ発の民泊サイト。これまでは旅館やホテルに泊まることが基本的な宿泊スタイルであったが、個人の借り手と貸し手を繋ぐ「民泊」といった新たなスタイルを生み出し世界的に拡大。2014年には「Airbnb Japan」が設立。日本における民泊サイトとしても最大級である。

「Airbnbバブル」とは、2018年6月に民泊新法が施工されることにより、Airbnbのサイトから違法民泊物件が一斉に削除された。それによりこれまでの「旅館業法」や「特区民泊」をクリアしているホテルや民泊物件に予約が殺到している現象。

今月は法改正により、利益を得た会社、損した会社が大きく分かれた月となりました。違法営業していた民泊業者は泣き、これまでに許可を得ていた業者は笑顔になったのではないでしょうか。

しかしこの法改正で根本的な問題が解決されたわけではありません。民泊新法が施工されたことによる東京都における新規届出は現時点で500件ほどにすぎず、東京オリンピックが控えており、簡易宿泊所が不足している現状において、旅行者の選択肢がさらに減ったにすぎません。

私の予想では違法民泊業者がAirbnbから撤退したことにより、規制の緩い別の民泊サイトが拡大すると考えています。宿泊所はまだまだ不足していますし、少しでも安い宿泊施設を求める訪日外国人が素直にAirbnbに載っている単価の高いホテルに問い合わせるとは思えません。

前のブログ記事でも話した通り、今回の法改正で定められた「年間営業日数180日以内」の要件は厳しすぎます。これではアメリカの禁酒法を策定したことにより起こった現象と同じ事が起き、無届の民泊施設がより法の外へ隠れてしまうのではないかと思います。

民泊業界自体にきちんとした法整備を行うことはもちろん必要ですが、きちんと届出が行われ、適正な管理ができている宿泊施設なら、営業日数の基準を緩めるべきではないでしょうか。

近い将来、届出のない違法民泊所で重大な事件や事故が起きる予感がします。。

《民泊新法の届出数は絶望的な状況であることが判明》

本日は民泊新法の経過について述べたいと思います。

民泊新法の新規届出数が発表され、その数が絶望的な状況であることが判明しました。各種ニュース報道でも大きく取り上げられています。

東京23区において、1万件以上あるとされていた民泊(届出なし含む)の内、民泊新法成立後あらたに受理された件数は558件と10分の1にも満たない状況となっています(2018年6月15日時点)。

この壊滅的な登録状況の一番の原因はやはり民泊新法で追加された項目「年間の営業日数が180日以下」が厳しすぎるということだと思います。

現在の民泊事業は、東京オリンピックの需要を見越し、短期的な投資目的で経営している海外の方(特に中国の方)がかなり増加しています。

私も最近何件か民泊物件を海外の方に紹介致しました。そのような方にとって180日以下しか営業できないことは、利益を生み出す上で致命的なことなのです。

今の法律のままでは、民泊を登録した人が損をしてしまう「正直者が馬鹿を見る」状況となってしまっています。今後きちんと登録せず民泊を経営し、重大な事件や事故が起こってしまうことも十分考えられます。

国と地方自治体は早急に民泊新法の営業日数制限を緩和し、代わりに適正な管理など別の部分の罰則を強化するなど、現実的な法整備を行うべきだと思います。

 

 

 

《民泊新法(2018年6月施行)のメリット・デメリットについて》

毎度不動産業界の悪口ばかり書いてもあれですので、本日は東京オリンピックに向け大きな話題となっている、2018年6月15日に施行される「民泊新法」のメリット・デメリットについて述べたいと思います。

今までは「民泊」に対する法整備が整っておらず、新規参入のハードルが高かったり、違法民泊業者が横行したりして「民泊」トラブルが多発していました。

しかしこの度「民泊新法」が施工されたことにより、ある一定の基準が定まったのではないでしょうか。

まず前提として、これまでは合法化された「民泊」を行うためには「旅館業法」の条件をみたすか、大田区など一部地域で行われている「特区民泊」の条件を満たすかの2通りしかありませんでした。

その2つに加え、今回「民泊新法」が加わります。これによって合法的に民泊を開きたい方にとっては選択肢がもう一つ増えることになります

それでも「民泊新法」はまだまだ現実にそぐわない部分もありますので、メリット・デメリットをそれぞれわかりやすく挙げてみたいと思います。

【メリット】

  • 住居地域でも民泊の営業が可能に
  • 1泊のみの宿泊も可能に
  • 今まで「許可」が必要だった手続きが「届出」だけで可能に

【デメリット】

  • 年間の営業日数が180日以下でなけらばならない
  • 管理、届出、名簿保管など新たな義務が生じる

まずメリットとしましては、今まであった「旅館業法」よりかなりハードルが下がったという点です。今までは旅館を開くのと同じような設備等を整えなければならなかったものが、簡易的な届出だけで全国どこでも合法的に「民泊」を開くことが出来るようになりました。

しかし大きなデメリットとして、営業日数が180日以下でなければならないという条件があります。

この条件は民泊によって利益を得ようとしている業者や個人の方にとっては大きな足かせとなるのではないでしょうか。営業が年間の約半分しかできないということは利益という点ではどう考えても厳しいものがあります。

それでも今まで無法状態であった「民泊」が、今回の施行によって管理や届出、名簿保管等が義務化され、一定の法的基準が定められたことは評価されるべき点だと思われます。

今後は現実の経営に即した法改正を期待しつつ、事業者、管理業者、仲介会社が一丸となって政府に働きかけていくことも重要です。