本日はテレビ東京「ガイアの夜明け」で放送されたことにより大きな話題となっている「レオパレス21事件」について述べたいと思います。
放送ではなんとなく「レオパレスは悪い」いったイメージだけが先行して終わった印象でしたので、このブログでは問題点を明確にしていきたいと思います。
レオパレス21については以下2つの問題点があります。
- アパート界壁非設置による建築基準法上の問題
- 30年一括借り上げを謳ったアパート経営破たんの問題
まず①に関して申し上げますと、レオパレス21 は建築、管理、仲介を全て自社で行なっています。
これはレオパレス21 以外の企業でも言えることですが、一連の過程を自社のみで行なっている場合は外部チェック機能が十分に働かず、不十分な施工のまま工事を進めてしまう恐れが大きくなります。
建築当時は建築基準法が甘く、建築確認申請のみで完了検査の義務がなかったことも、このような問題が発生した一因かと思われます。
この界壁がないと火災が起こった際に隣室へすばやく燃え移ることになり、人命に関わる重大な問題と言えます。しかも発覚後も隠蔽とも取れるようなレオパレスの対応に放送を見た人は大きな不信感を抱いたのではないでしょうか。
そして②に関しては社会問題にもなっているスマートデイズによる「かぼちゃの馬車事件」と大きく関わっています。
スマートデイズが謳っていた「30年一括借り上げ」、これは元をたどればレオパレスが採用していたシステムであり、このシステムを信頼して購入した投資家(大家)が想定していたものと大きく違っていたことが問題となっています。
この「30年一括借り上げ」を簡単に説明しますと、不動産会社が投資家が購入したマンションを一括で借り上げて入居者募集や管理を行い、入居者が埋まらなかった場合でも家賃分を保証するというものです。
しかしこれには大きな落とし穴があったのです。
- 10年経つと家賃を下げることができると小さく契約書に書いてあったこと
- リフォーム費用は全て大家が負担ということ
家賃が下がれば大家の想定していた収入が確保できなくなり、ローン破綻も考えられます。またリフォーム費用も大家持ちということで年数が経つごとに負担が増えていく構造になっています。
しかも何より恐ろしいのが、上記問題等で大家と不動産会社が揉めた場合、不動産の法律(宅建業法)上、借主の立場である不動産会社側が保護されるということ。理不尽に思えますが、法律的には不動産側に解約の権利があるとされてしまうのです。
この問題はスマートデイズ、レオパレス21といった会社だけではなくアパート経営を行なっている企業、しのけんや大東建託、旭化成、積水ハウス、住友不動産、等すべての企業で共通している問題でもあります。
アパート経営は不動産屋の甘い言葉に惑わされず、将来的のも必ず入居者が埋まる立地、適正な家賃相場、返済計画を綿密に計算しなければなりません。本当にいい立地で価格も相場より安ければ不動産屋が購入して当然なわけですから。
私個人の感想としましては、不動産屋に全てを任せる安易な「一括借り上げ」システムは良くないと考えています。
投資家(大家)は適正な価格、家賃相場を把握し、法律上自ら入居者を募集することも可能になっていますので、自分で入居者を募集できるくらいの知識を持ち合わせてから不動産経営を検討するべきだと思います。